通関情報調査室

AEO輸出者ではたらく、元通関士のブログ Former REGISTERED CUSTOMS SPECIALIST

元通関士が通関士試験テキストを購入検討

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通関士試験のテキストを買って、基礎から復習しようと考えています。

いまちょうど2023年版の新しいテキストが発売され始める時期です。このタイミングで、よいテキストを1冊見つけるつもりですが、元通関士の目で厳しく比較検討している最中です。

市販のテキストでは有名なものが4つほどあり、そのうち3つを書店で少し読みました。
そして、気づいてしまいました。

「輸出者が保存すべき帳簿書類」について、間違った説明をしているテキストがあるのです。

  • 間違った説明 契約書、仕入書、運賃明細書、保険料明細書包装明細書....
  • 正しい説明  契約書、仕入書、包装明細書....

税関HPにもはっきりと書かれているのに、テキストはなぜ間違えているのでしょうか?

税関HPより

なぜ間違えているか?

  • 理由1
    法令の構造が複雑すぎて著者が誤読しているからです。
    実は、法令の原文は上表のようなわかりやすい書き方になっていません。輸出者が保存すべき書類は、輸入者向けの規定を準用しています。そのあと、用語の読み替えをしないと正しく理解できない構造になっています。
    輸出者が読むべき読み替え規定は、関税法施行令第83条第4項にあり、仕入書、運賃明細書、保険料明細書」とあるのは仕入書」と読み替える、と定められています。
  • 理由2
    おそらく輸出通関の実務経験のある方がテキストをチェックできていないからだと思います。実務経験があれば、すぐに違和感を覚えます。輸出通関で、運賃明細書、保険料明細書は使いません。
  • 理由3
    通関士試験に出題される可能性が低いからかもしれません。そのため、法令の確認がおろそかになっているのでしょう。

正しい説明がされているテキスト

書店で3冊を読み比べたところ、正しい説明がされているテキストは1冊だけでした。

このテキストが購入候補1位です!