2023年度は、国際郵便を発送するときにやるべきことが少し変わります。
2023年9月22日~ EU加盟国等あて HSコードの送信
2024年3月 1日~ 全世界あて 通関電子データの送信
2023年9月22日~ EU加盟国等あて HSコードの送信
HSコードとは、輸出入する品物を分類するための世界共通の6桁の番号です。これを差出人自身で調べる必要がでてきます。
日本郵便が身近な品物をとりあげて、HSコードが何になるかを覧にまとめてくれています。内容品の日英・中英訳、HSコード類 | 日本郵便株式会社
もし見つからなければ、【超簡単】通関士でなくてもできる!HSコードの調べ方も参考にしてください。厳密なHSコードを調べるのはなかなか難しいですが、ここで紹介したツールならだれでも簡単にHSコードを見つけられます。
なお、フランス、アイルランド向けは、HSコードよりも細かいコードを求められるため注意が必要です。
- フランス向けは、HSコードよりもさらに細分された(EU独自の下位分類を加えた)8桁のCNコードの送信が推奨されています。本の場合:49019900
- アイルランド向けは、HSコードよりもさらに細分された(EU独自の会分類を加えた)10桁のTARICコードの入力が求められています。本の場合:4901990000
2024年3月 1日~ 全世界あて 通関電子データの送信
全世界向けで手書きラベルによる発送が不可となり、通関電子データの入力が義務化されます。手紙などの書類だけを送る場合は、対象外です※。
※ドイツ向けは注意が必要です。手紙や印刷物であっても、書籍やカレンダーなどの金銭的な価値があるものを含む場合、通関電子データの送信を求められることがあります。
通関電子データというと難しいですが、内容は以下のような単純なものです。
- 差出人名、住所
- 受取人名、住所
- 内容品名
- 総重量
- 郵便物番号(お問い合わせ番号)
- その他国際郵便マイページサービス等に入力した情報
郵便局の国際郵便マイページサービスに登録して、ガイドに従って送り状作成を進めると必要なデータと書類が自動的に作成されます。このツールでは、発送予定の管理、発送履歴の確認、差出人・受取人・内容品を登録しておくこともでき、結構便利です。もちろん無料で利用できます。
通関電子データの送信は、テロ対策の観点から世界的に郵便物へのセキュリティの必要性が高まったため、万国郵便連合が決定したものだそうです。この電子データは輸出入に関する税関手続きに限り使用されることになっています。
郵便物の通関の現場では、手書きをさせるとはっきり言って何が書いてあるかわからない場合もあるのでしょう。これが原因で通関に余計な時間がかかっているのだと思います。電子データであれば、システム的なチェックをかけられますし、データを蓄積してハイリスク貨物を選定することも可能になってくると考えられます。
とはいえ、本当に悪さをするやつは正直に情報を出すわけがなく、偽装したり隠蔽したりするんでしょうけどね。
郵便物を海外に送る=輸出なので、日本では関税法に従い手続きが必要になります。ただ、20万円以下の品物は、通常の輸出申告は不要で簡易な手続きが可能となっています。必要最低限の情報は、郵便局の窓口でも教えてくれるはずですが、最終的な輸出の責任は差出人にあります。
その他注意事項
輸出入が禁止されているもの、輸送上の危険物に該当する物は送れない
日本から輸出が禁止されているもの、規制されているものがあります。その概略はこちら輸出入禁止・規制品目 : 税関で確認できます。
宛先国の輸入禁止品の概略は国・地域別情報(国際郵便条件表)で確認できます。
そのほか、輸送上の危険品に該当して送れないもの、郵送が禁止されているもの(貴重品など)があります。国際郵便として送れないもの - 日本郵便
今後、郵便局を装った詐欺やスパムメールにも要注意!
通関電子データの内容が名宛国の税関によって不十分・不正確であると判断された場合、郵便局から電子メールまたは郵送により差出人に追加情報、正確な情報の提供を依頼することがあるようです。
この電子メールによる情報の提供依頼がやっかいです。
郵便局から連絡をするときには、郵便物の差出日、名宛国、郵便物番号が伝えられることになっていますが、うっかり添付ファイルを開いたりURLをクリックしたりしかねません。心当たりのないメールには本当に注意しなければいけません。