関税定率法等の一部を改正する法律(令和5年法律第6号)
例年のごとく、今年の3月末に改正法が成立しています。
今回改正された法律は、関税定率法、関税法、関税暫定措置法です。
わたしは、輸出に関する仕事をしているので、
輸出者とAEOに関係する部分のみをピックアップします。
結論 政令、省令、基本通達の改正を確認すべし
確認すべき部分は以下のとおりです。
- 関税法施行令:第25条 保税地域外に置くことができる貨物の追加(2023年4月1日施行)
- 関税法施行規則:第10条及び第10条の3 電磁的記録の保存要件の緩和(2024年1月1日施行)
- 関税法基本通達:67の3-4 特定輸出者の承認申請に必要な事項の簡素化(2023年4月1日実施)
- 関税暫定措置法基本通達:8-4 加工組立減税(暫8)に係る輸出原材料の輸出の手続(2023年4月1日実施)
- 参考 ザっと確認した法令一覧
関税法施行令:
第25条 保税地域外に置くことができる貨物の追加
(2023年4月1日施行)
- 中古農業機械等の検疫指定物品が追加となる
関税法施行規則:
第10条及び第10条の3 電磁的記録の保存要件の緩和
(2024年1月1日施行)
- スキャナ保存の際の読取り情報(解像度、階調、書類の大きさ)の保存が不要となる
- 電子取引の取引情報の保存者等の情報が不要となる
関税法基本通達:
67の3-4 特定輸出者の承認申請に必要な事項の簡素化
(2023年4月1日実施)
- 特定輸出申告を行う予定の官署名が不要となる
- 申請者が所有又は管理する貨物の保管施設、特定輸出貨物に係る保管施設、管理対象貨物の蔵置場所の対象範囲が明確化?される
- 通関業務委託先の責任者の氏名が不要となる
- 通関業務委託先がAEO認定を受けた年月日、CP整備の有無の情報が不要となる
- 輸出貨物の管理委託先の責任者の氏名が不要となる
- 輸出貨物の管理委託先のAEO保税、AEO運送の承認有無の情報が不要となる
関税暫定措置法基本通達:
8-4 加工組立減税(暫8)に係る輸出原材料の輸出の手続
(2023年4月1日実施)
- 生地見本等の提出が原則省略化される
税関Q&A https://www.customs.go.jp/tsukan/zanpachi/q&a.pdf
参考 ザっと確認した法令一覧
- 法律 関税定率法、関税法、関税暫定措置法、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/211diet/ka20230210t.pdf - 政令 関税法施行令、関税定率法施行令、関税暫定措置法施行令、税関関係手数料令、関税割当制度に関する政令、電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律施行令
https://www.customs.go.jp/kaisei/seirei/2023seirei158/shinkyu.pdf - 省令 関税法施行規則、関税暫定措置法施行規則、関税定率法施行規則
https://www.customs.go.jp/kaisei/shourei/2023shourei29/honbun.pdf ほか - 通達 関税法基本通達、関税暫定措置法基本通達、そのほか通達8本
https://www.customs.go.jp/kaisei/tsutatsu/2023tsutatsu/2023tsutatsu273/annex1.pdf ほか
法律が改正されたとき、下位の法令も一緒にチェック要ですが、むしろ、下位の法令のほうが実務に直接影響することが多いです。
また、今回の改正とは別に「帳簿の代⽤とする輸⼊許可書等の電⼦保存規定の明確化」の政省令改正が今年中にあると想定しています。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_customs/material/20221215/kana20221215siryo1-1.pdf#page=4