通関士試験の勉強をすると、様々な種類の減免戻税制度がでてきます。
概要
1602 関税の減免戻税制度の概要(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs
根拠条文は、関税定率法10条~20条やその他法律に定められています。これらの制度は、日本の経済、社会、文教等の政策的な要請、国際慣行、国際礼譲的な見地から設けられています。各制度の趣旨は、上記リンク先や通関士試験のテキストなどで確認できます。
また、減税、免税、戻し税とは次のことを指しています。
- 減税 関税の納付義務の軽減(一部免除)
- 免税 関税の納付義務の全部免除
- 戻し税 納付した関税の一部または全部を払戻し
初学者にはなかなか理解が大変です。通関士でも、すべてを理解している方はほとんどいないのではないでしょうか。実務ですべてを使いこなすことはないんです。
輸出担当の通関士としての経験
わたしが関わったことのある減免戻税申告は、以下の4~5種類程度です。
- 定率法11条(加工修繕)
- 定率法14条(無条件免税)
- 定率法17条(再輸出免税)
- 暫定8条(加工組立)
- 定率法20(違約品) これは認められる条件が厳しく、加工修繕に切り替えたような記憶も。。。(過去には違約品に絡む要望・苦情?もでています 7-(1) 輸入品返品による関税・消費税の払戻し手続の簡素化)
定期的に申告する案件でない限り、税関に相談・確認しながら申告の準備を進めます。取引の概要説明、必要書類の入手などで、場合によっては相談開始から申告までに1か月程度かかってしまうこともあります。
減免税、戻し税の実績
まぁ、難しいことはさておき、実際にこの減免戻制度が利用された実績を金額で見てみましょう。2013年~2022年の10年間の実績です。パソコンでご覧ください。
グラフで一目瞭然なのですが、減免戻税金額のほとんどが製造用原料品減免税(定率法13条1項)でした。全体の金額の9割以上を占めています。この制度は国内生産量の少ないとうもろこし等の関税を軽減又は免除し、日本の畜産農家に良質かつ低廉な飼料の安定供給に寄与しようとするものです。
とうもろこし関連情報はこちら
グラフでみるとうもろこし | トウモロコシノセカイ|とうもろこしの総合情報サイト
穀物(とうもろこし)輸入を取り巻く環境について | 国土交通省 港湾局
配合飼料に欠かせないトウモロコシが日本に届くまで | 林商店
通関っておもしろい!